エリザベス女王杯は京都外回り2200m戦。
秋華賞はコーナリング重視だけど、エリザベス女王杯は別適性・・・
と書こうと思ったんだけど、今年は3歳秋華賞組が一頭もいないんだって。
エリザベス女王杯2024の出走予定馬
※2024/11/6現在
人気 | 馬名 | 性齢 | 騎手 |
1 | レガレイラ | 牝3 | ルメール |
2 | ホールネス | 牝4 | 坂井 |
3 | スタニングローズ | 牝5 | Cデムーロ |
4 | シンリョクカ | 牝4 | 木幡初 |
5 | ラヴェル | 牝4 | 川田 |
6 | サリエラ | 牝5 | ムーア |
7 | シンティレーション | 牝5 | マーカンド |
8 | モリアーナ | 牝4 | 岩田康 |
9 | コスラボニータ | 牝5 | 松山 |
10 | キミノナハマリア | 牝4 | 鮫島駿 |
11 | ハーパー | 牝4 | 武豊 |
12 | コンクシェル | 牝4 | 岩田望 |
13 | ルージュリナージュ | 牝5 | 池添 |
14 | ライラック | 牝5 | 石川 |
15 | ピースオブザライフ | 牝4 | 団野 |
16 | エリカヴィータ | 牝5 | 藤岡佑 |
※人気は想定
エリザベス女王杯2024出走予定馬の血統チェック
①レガレイラ
菊花賞を勝ったアーバンシックとほぼ100%同配合。
レガレイラの母ロカと、アーバンシックの母エッジ―スタイルは全きょうだい。
なので両者の血統構成はスワーヴリチャード×ハービンジャー×ダンスインザダークと全くの一緒。
3代母はディープインパクト、ブラックタイドの母ウインドインハーヘア。
ウインドインハーヘア牝系は近年の日本競馬で著しく活躍している。
先日の菊花賞は1着アーバンシック、3着アドマイヤテラと、ウインドインハーヘア牝系の馬が2頭馬券圏内に好走した。
レガレイラの京都芝2200の適性は?
菊花賞の週に、アーバンシックが菊花賞、サブマリーナが清滝特別(2200m)と、スワーヴリチャード産駒が2勝。
これによりスワーヴリチャードは、京都外回りコースのアベレージを一気に上げてきた。
勝率14.8%、連対率22.2%、複勝率40.7%
これは優秀なアベレージ。
スワーヴリチャードは、ハーツクライの系統で、追って伸びるタイプ。なので直線の長いコースのほうが合っている。
東京コースが得意なのはもちろんのこと、
京都なら内回りよりも外回り、阪神でも内回りよりも外回りのほうが成績がいい。
中山は内回り、外回りとも最後の直線が同じ距離のはずなのに、外回りのほうが圧倒的に勝率が高いので、コーナリング勝負のタイプでは無く、やはり最後の直線勝負のタイプだろうと判断できる。
この辺は実にハーツクライの血統らしい。
なので、レガレイラが秋華賞では無く、エリザベス女王杯に直行してきたのは非常に理にかなっていると思う。
ちなみにスワーヴの父ハーツクライは、末脚を出し切りやすい外枠のほうが成績がいい。
なのでレガレイラも外枠のほうがいいかもしれない。外差し馬場になればさらに精度UPと見ている。
ハーツクライ死に枠の1枠に入った時はかなり不安。
◆血統評価 S
②ホールネス
父のロペデヴェガは、今年の凱旋門賞で人気にもなっていたルックドゥヴェガの父。
ロペデヴェガの現役時代を見てみると、仏ダービーを勝ったものの、その後の凱旋門賞で惨敗。
種牡馬になってからも成功を収めているが、産駒のGⅠ勝ちを見ると1800m以下が多い。(なかにはヴェルメイユ賞の勝ち馬もいるが)
今年の凱旋門賞に出走したルックドゥヴェガも13着に大敗、くしくも父と同じ道を歩んでしまった。
ホールネスの京都芝2200の適性は?
正直判断が難しい・・・というのが本音だが、ロペデヴェガの産駒の傾向を見る限り、2200mはギリギリなんじゃないかと予想。
なので、コースロスの少ない内枠が欲しいところ。
それよりも良馬場で高速馬場になった時の方が不安。
ストームキャット系とはいえ、母系含めて欧州血統なので、GⅠの速い上がりに対応できるか?
母系はブラッシンググルーム系。クロノジェネシス(父バゴ)の系統。
あのクロノジェネシスさえエリザベス女王杯では人気を裏切っている(2人気5着)
総合的に考えると、ホールネスは京都2200mの末脚勝負は不安しかない。
欧州血統なので、雨で道悪になったら浮上しそうだけど、そうすると今度はスタミナの面での不安がなぁ・・・
◆血統評価 B
③スタニングローズ
父キングカメハメハ 母父クロフネ
コーナリングの上手いキングカメハメハ。実際にスタニングローズは機動力を活かして秋華賞を勝ったが、外回りコースは?
↑上の記事のエリザベス女王杯の過去10年の血統データ
キングカメハメハ系はそこまで実績を残せていない。2023年はロードカナロア産駒が勝ったけど、これが実に9年ぶりのキンカメ系の好走だった。
スタニングローズは2022年のエリザベス女王杯では2番人気14着。まあその時は阪神代替で重馬場だったから度外視でもいいが。
ただ現状では、外回りの決め手勝負、差し脚比べでは後れを取ると予想しておく。
◆血統評価 B
④シンリョクカ
父サトノダイヤモンド 母父キングカメハメハ
エリザベス女王杯の過去10年で最も実績を上げているのがディープインパクト系であり、必然的にサトノダイヤモンド産駒も要警戒だと思う。
サトノダイヤモンド産駒は新種牡馬で産駒数もまだ少ないが、その中でもデータが揃いつつある。
まず一番勝ち星を挙げているのが京都競馬場で、そのなかでも1800m~2200mに勝ち星が集中している。
一番得意なのは京都1800mだけど、2200mも全2勝、勝率33.3%、その中にはサトノグランツの京都新聞杯も含まれており内容は濃い。
サトノダイヤモンドは現役時代のイメージとは裏腹に、産駒は先行してしぶといスタミナを見せる仔が多い。
(スズハロームは例外中の例外)
シンリョクカが好走するには、後ろからの競馬よりも、新潟記念のような強気な競馬が必要。
◆血統評価 A
⑤ラヴェル
父キタサンブラック 母父ダイワメジャー
キタサンブラック産駒は、大飛びな馬が多いのか、広いコースの方が得意。
勝利数は東京競馬場がダントツ、京都競馬場も外回りのアベレージは高い。
とはいえ、京都の外回りのアベレージは、ほとんどが1800mのものなのが気がかり。
東京でも京都でも1800mにやたら強い。
京都2200mはまだ分母が少ないので、かなり判断が難しい。
唯一の好走が宝塚記念(京都代替)のソールオリエンス2着をどう取るか。
またキタサンブラック産駒は、開幕月よりも、連続開催の2ヶ月目のほうが成績がいい傾向がある。
たとえば秋競馬では、東京も京都も10月より11月のほうが成績がいい。
- 京都の10月 勝率9.7%、連対率19.4%
- 京都の11月 勝率23.1%、連対率30.8%
東京や京都だと、開幕直後の高速馬場は、瞬発力勝負になり過ぎるため、キタサン産駒は苦戦。
連続開催の2ヶ月目は、適度に時計がかかり出し、外差し馬場になったりで、馬力に長けるキタサン産駒が浮上してくるのではないか?
くしくも、ソールオリエンスのGⅠ好走、皐月賞も、宝塚記念(2着)も連続開催の2ヶ月目であった。
ラヴェルも超高速馬場では無かったらチャンスあり。外差しならなお良し。血統的に道悪も大歓迎。
◆血統評価 X(穴馬候補)
⑥サリエラ
父ディープインパクト 母父ロミタス
エリザベス女王杯で好成績を残すディープインパクト。
前走オールカマー大敗は驚いたが・・・全姉サラキアのように外から末脚を出し切ったほうがいいかもしれない。
ダイヤモンドS2着、目黒記念3着と長距離志向だが、血統的には京都芝2200には全く問題無し。
後方からじっと構えて、展開が向くかどうか。ライアンムーアの騎乗にも期待。
◆血統評価 A
⑦シンティレーション
父ロードカナロア 母父アグネスタキオン
前走は昇級初戦もなんのその、強敵相手に2着に激走。
実はこの週、キングカメハメハ系の昇級初戦の激走が3頭あったんだよね・・・
そしてその次の週の菊花賞では、昇級初戦のキンカメ系が2着3着に入るという・・・
勢いに乗ったキンカメ系は、レベルが上がってもポンポン好走するので、エリザベス女王杯でも怖い。
しかも府中牝馬Sの2強はどちらも居ないわけだしね。
エリザベス女王杯は、過去10年、キングカメハメハ系はあまり実績は無いんだけど、昨年はロードカナロア産駒が1着。
シンティレーションも距離の壁は感じないかな。
要は調子の波が終わっていないかどうか。
調子の波が続いているならばべラジオオペラの宝塚記念のように、2200mも好走するだろう。
あとは道悪。シンティレーションは、ホウオウエミーズと同じくロードカナロア×アグネスタキオンなので道悪はおそらく得意。あるいは『鬼』かも。
雨が降ったら絶対に抑えておきたい一頭。
◆血統評価 B (道悪ならA)
⑧コスラボニータ
父イスラボニータ 母父ケンドール(トニービンと同じ系統)
イスラボニータは芝でもダートでも短距離でも中距離でも人気薄で激走しまくる超大穴種牡馬。
2024年だけで7番人気以下の激走がすでに37回もある。
2桁着順からの激走も多々あるので、今回のコスラボニータに関しても、血統表を見るだけで胸騒ぎが起きている。
もちろんイスラボニータ産駒は、過去にGⅠでの激走は無いので(GⅢでは2度ある)、今回のエリザベス女王杯では敷居が高すぎるとは思う。
しかし、神出鬼没でいつ走るか分からないイスラボニータだけど、「距離延長は好走の期待値が上がる」という仮説があるにはある。
《イスラボニータのデータ※7番人気以下に限定》
- 前走と同じ距離 勝率1.2%/連対率4.9%
- 前走より距離延長 勝率2.4%/連対率5.6%
- 前走より距離短縮 勝率1.4%/連対率3.8%
はっきり言おう!微増なのだ!ホントにしょうも無いほどの微増!
ただ針の穴を通すような大万馬券を狙う者にとって、1%の違いは無限の可能性とも言えよう!(大げさ)
今回のコスラボニータは、実質イスラボニータ×トニービンなので、京都外回りは合うし、前走より400m距離延長もいいし、前走2桁敗退も好走のフラグと取れなくもない。
2024年万馬券のトレンドはイスラボニータということを踏まえつつ、複勝をこっそり買うつもりだ。
◆血統評価 X(穴馬候補)