種牡馬データ

【種牡馬】エピファネイア産駒の特徴◆2歳~3歳夏の『ゴールデンタイム』では速い上り3ハロンで勝利を量産するが・・・

2025/10/17にデータ更新

管理人
管理人
こちらの記事では、種牡馬エピファネイアの特徴を解説していくよ!

エピファネイアの血統表

 

PR
PR

エピファネイアの代表産駒(主な勝ち鞍)

  • ダノンデサイル(日本ダービー、ドバイシーマクラシック)
  • エフフォーリア(有馬記念、天皇賞秋、皐月賞)
  • デアリングタクト(牝馬3冠)
  • ビザンチンドリーム(凱旋門賞5着、仏フォワ賞)
  • ブローザホーン(宝塚記念)
  • ステレンボッシュ(桜花賞)
  • テンハッピーローズ(ヴィクトリアマイル)
  • サークルオブライフ(阪神JF)

ヤンキーバローズ(ファルコンS)、エリカエクスプレス(フェアリーS)、エピファニー(小倉大賞典)、イフェイオン(フェアリーS)、モリアーナ(紫苑S)、セルバーグ(中京記念)、ジャスティンカフェ(エプソムC)、イズジョーノキセキ(府中牝馬S)、アリストテレス(AJCC)など

 

エピファネイアってどんな種牡馬?

芝の大レースを勝ちまくり、大種牡馬への道を歩む

初年度から牝馬3冠馬デアリングタクト、2年目はGⅠ3勝エフフォーリアを輩出。ど派手な種牡馬デビューを果たす。

2024年はダノンデサイルの日本ダービー、テンハッピーローズのヴィクトリアマイル大激走などGⅠを4勝と、大舞台の強さをアピール。

2025年はビザンチンドリームが仏フォワ賞を勝ち、つづく凱旋門賞では5着と大健闘した。

とにかく芝の大舞台で強く、しかも根幹距離の強さもあり、まさに大種牡馬への道をひた走っている。

牡馬の活躍馬も多く、将来的にエピファネイア系統が発展していく可能性も大いにある。

直線の長い大箱向きの種牡馬

コーナリング勝負では違いを見せられないが、追って伸びる末脚が武器。

高速馬場でのロングスプリントにも、力のいる馬場でのロングスパートにも長ける。

なのでアベレージが高いのは直線の長いコース。具体的には勝率だけを見ると新潟外回り、東京、阪神外回りの成績がいい。

内回りコースではエンジンのかかりの遅さが露呈して、2着3着止まりのケースも多々ある。

仕上がりが早く、2歳~3歳に無双する

芝レースでは、全512勝のうち、2~3歳の期間中に410勝。

2~3歳の勝利数が全体の80%を占めている

とくに得意の東京競馬場では2歳~3歳6月までの勝利がほとんど、新潟外回りも2歳~3歳夏までの勝利がほとんど。

この2歳~3歳夏までの期間をエピファネイアのゴールデンタイムと呼びたい

アバウトに言うと、このゴールデンタイムでは高速馬場でのロングスプリント戦や瞬発力戦に強く、33秒台の上りでレースを勝ち切ることも多い。

しかしその期間を過ぎると、(とくに条件戦では)高速上り3ハロンを駆使できる馬は極端に減り、勝利数は激減してしまう。

具体的には、東京では4歳秋以降の勝利は(重賞級の馬以外)ほとんど見られないし、新潟外回りも4歳以降は不振だ。

 

4歳以降は深追い禁物?【早熟説は本当か?】

結論から言うと、エピファネイア産駒を早熟と決めつけるのは早計だと思う。

先ほど書いた通り、高速上り3ハロンを使えるのが、2歳~3歳夏のゴールデンタイム。この期間を過ぎると、まったく好走できなくなる馬は極めて多い。

しかし、スタミナ、パワー、末脚の持続力(ロングスパート)というエピファネイアの別の武器を持つ馬は、古馬になっても走れる。

ビザンチンドリームはゴールデンタイムでは新馬→きさらぎ賞を上り33秒台で連勝したが、古馬になってロングスパート型として覚醒した。

そのほかにもブローザホーン、クラヴェル、イズジョーノキセキなど、ロングスパートを武器に持つ馬は古馬になっても重賞で活躍する。

エピファネイア産駒はコーナリング性能は弱いので、どうしても追い込み切れずの2着3着は多くなる傾向だが、ロングスパートに適した舞台、適したペース、そしてジョッキーの馬裁きの上手さが嚙み合え強い相手でも走ってくれる。

馬券で一番やっちゃいけないのが、

2歳~3歳前半で、東京や新潟外回りで上り33秒台で勝ったからと言って、それ以降も同じ舞台で再度の末脚を期待して馬券を買い続けること

ゴールデンタイムを過ぎたら瞬発力型ではなくなるので、期待値は極端に低い。

事実、新潟芝1600では2歳新馬では驚きのアベレージを挙げているが、1勝クラスより上では人気を裏切るケースが多発している。

新馬戦は(いい意味で)異常数値

仕上がりの早いエピファネイア産駒。素質馬も多く、芝コース新馬戦のアベレージがかなりいい。(ダートはダメ)

とくに勝率が高いのが新潟競馬場。さらにいうと外回りの1600がすごい。

2歳牝馬は新潟芝1600で勝利するのが通過儀礼となっているほど無双

2歳新馬+新潟1600=勝率41.7%、複勝率54.2%

この条件では勝利はおろか、3着以内はすべて牝馬だ。

ただし、新潟の2歳新馬を勝った馬の出世率は恐ろしいほど低くゴールデンタイムを過ぎると速い上り時計がまったく使えなくなり、そのまま引退していく。こういうケースでは馬券の深追いは禁物だ。

(2025年になり、フィロステファニが新潟新馬→アルテミスSを連勝し、ようやく出世馬が出る)

 

PR
PR

エピファネイア産駒のデータ

芝・ダートの勝利数

1着ー2着ー3着ー4着ー5着 勝率 連対率 複勝率
493-471-450-429-390 9.6% 18.8% 27.5%
ダート 87-95-115-117-118 5.4% 11.3% 18.5%

 

芝の距離別成績

1着ー2着ー3着ー4着以下 勝率 連対率 複勝率
スプリント 29-26-25-433 5.7% 10.7% 15.6%
マイル 162-161-153-1205 9.6% 19.2% 28.3%
中距離 235-239-226-1685 9.9% 19.9% 29.4%
クラシック 50-36-37-282 12.3% 21.2% 30.4%
長距離 17- 9- 9-114 11.4% 17.4% 23.5%

※スプリント1000~1200、マイル1400~1600、中距離1700~2000、クラシック2200~2400、長距離2500~

 

ダートの距離別成績

ダート 1着ー2着ー3着ー4着以下 勝率 連対率 複勝率
スプリント 10-11-16-221 3.9% 8.1% 14.3%
マイル 15-21-25-319 3.9% 9.5% 16.1%
中距離 59-56-65-717 6.6% 12.8% 20.1%
長距離  3- 7- 9-47 4.5% 15.2% 28.8%

※スプリント1000~1300、マイル1400~1600、中距離1700~2000、長距離2100~2400

 

 

クラス別の成績

①芝のクラス別成績

1着ー2着ー3着ー4着以下 勝率 連対率 複勝率
GⅠ 11- 9- 7-70 11.3% 20.6% 27.8%
GⅡ  5-10-12-105 3.8% 11.4% 20.5%
GⅢ 10-11-19-127 6.0% 12.6% 24.0%
OP特別(L)  8-11-11-68 8.2% 19.4% 30.6%
OP特別(非L)  4- 6- 4-18 12.5% 31.3% 43.8%
新馬 103-80-84-389 15.7% 27.9% 40.7%
未勝利 186-177-153-1386 9.8% 19.1% 27.1%
1勝クラス 112-114-108-1013 8.3% 16.8% 24.8%
2勝クラス 41-36-38-340 9.0% 16.9% 25.3%
3勝クラス 13-17-14-203 5.3% 12.1% 17.8%

 

②ダートのクラス別成績

ダート 1着ー2着ー3着ー4着以下 勝率 連対率 複勝率
GⅠ 出走なし
GⅡ 出走なし
GⅢ  0- 1- 1- 2 0.0% 25.0% 50.0%
OP特別(L)  1- 0- 0- 5 16.7% 16.7% 16.7%
OP特別(非L)  0- 0- 1-11 0.0% 0.0% 8.3%
新馬  1- 4- 4-59 1.5% 7.4% 13.2%
未勝利 45-50-65-678 5.4% 11.3% 19.1%
1勝クラス 29-31-34-382 6.1% 12.6% 19.7%
2勝クラス 10- 4- 5-107 7.9% 11.1% 15.1%
3勝クラス  1- 5- 5-63 1.4% 8.1% 14.9%

※地方競馬の成績は除く

 

競馬場別の成績

競馬場別の成績は、それぞれ記事を作成しました。そちらをご覧ください。

 

得意コース10選

分かりやすく競馬場別に並べています

1着ー2着ー3着ー4着以下 勝率 連対率 複勝率
東京芝2000 22-15-19-83 15.8% 26.6% 40.3%
東京芝1600 29-21-26-162 12.2% 21.0% 31.9%
東京芝2400  8- 6- 7-53 10.8% 18.9% 28.4%
東京芝1800 23-24-17-157 10.4% 21.3% 29.0%
中山芝2500  6- 1- 1-16 25.0% 29.2% 33.3%
中山芝2200  7- 2- 5-39 13.2% 17.0% 26.4%
京都芝2400  6- 2- 1-20 20.7% 27.6% 31.0%
京都芝1800 11-14- 8-66 11.1% 25.3% 33.3%
阪神芝2400  8- 5- 6-32 15.7% 25.5% 37.3%
阪神芝1600 23-22-23-153 10.4% 20.4% 30.8%
中京芝2200 11-10- 7-56 13.1% 25.0% 33.3%
中京芝1600 22-24-16-135 11.2% 23.4% 31.5%
中京芝2000 21-27-18-156 9.5% 21.6% 29.7%
新潟芝1800 17- 4-16-94 13.0% 16.0% 28.2%
新潟芝1600 15-10- 7-81 13.3% 22.1% 28.3%
札幌芝1500  9- 7-10-43 13.0% 23.2% 37.7%
札幌芝1800  6- 6- 5-76 11.5% 23.1% 32.7%
小倉芝1800 19-21-11-117 11.3% 23.8% 30.4%

 

得意な重賞

レース名 舞台 主な勝ち馬
アルテミスS 東京芝1600 フィロステファニ
桜花賞 阪神芝1600 ステレンボッシュ
阪神JF 阪神芝1600 サークルオブライフ
日本ダービー 東京芝2400 ダノンデサイル
オークス 東京芝2400 デアリングタクト

 

人気別の成績

勝率 連対率 複勝率
1番人気 35.2% 54.9% 66.7%
2番人気 17.7% 37.3% 51.8%
3番人気 11.5% 26.2% 41.6%
4番人気 9.1% 20.8% 32.8%
5番人気 5.9% 15.4% 26.5%
6番人気 4.8% 9.5% 17.6%
7番人気 3.4% 8.1% 14.5%
8番人気 3.6% 8.1% 14.1%
9番人気 2.2% 4.6% 9.0%
10番人気以下 0.8% 2.1% 4.6%

赤文字=平均より高い青文字=平均より低い

人気馬の信頼度が高いコース(1~3番人気)

  1. 京都芝2200 勝率75.0%
  2. 中山芝2500 勝率66.7%
  3. 小倉芝2600 勝率36.4%
  4. 新潟芝1600※ 勝率34.2%
  5. 京都芝2400 勝率33.3%
  6. 小倉芝1800 勝率32.8%
  7. 東京芝2000 勝率30.4%
  8. 阪神芝2400 勝率30.0%

※新潟芝1600のアベレージがいいのは2歳新馬のみ(くわしくは新潟競馬場の記事にて)

 

人気薄の好走が多いコース(6番人気以下)

  1. 中京芝1600
  2. 小倉芝1200
  3. 東京芝1600
  4. 阪神芝1600
  5. 小倉芝2000
  6. 中京芝2000
  7. 京都芝2000
  8. 中山芝1800
  9. 新潟芝1400

 

道悪(やや重・重・不良)の成績

①芝の道悪成績

1着ー2着ー3着ー4着以下 勝率 連対率 複勝率
やや重~不良 103-92-97-890 8.7% 16.5% 24.7%
やや重 77-57-71-565 10.0% 17.4% 26.6%
17-27-20-263 5.2% 13.5% 19.6%
不良  9- 8- 6-62 10.6% 20.0% 27.1%

 

マイラーと中長距離馬で分けて考えたい

エピファネイア産駒は、高速馬場向きの素軽いマイラーと、パワーあふれる持続型の中長距離馬で性能が異なる。

前者は道悪がマイナス、後者は道悪がプラスのイメージ。

競馬場により誤差はあるが、基本的に1600m以下は道悪でアベレージを下げる傾向。2000m以上では上げる傾向がある。

(※得意の東京競馬場はどの距離でも道悪はアベレージを落とさない)

重馬場の宝塚記念を勝ったブローザホーン、仏重賞を勝ったビザンチンドリームが、エピファネイアの中長距離馬のイメージ像。

 

道悪芝の得意コース

  • 東京芝2000
  • 中山芝2200
  • 京都芝2200
  • 京都芝2400
  • 阪神芝2400
  • 中京芝2000
  • 中京芝2200
  • 札幌芝1500
  • 小倉芝2000

分母が低すぎて除外したが、東京芝2400も得意と予想する

 

②ダートの道悪成績

ダート 1着ー2着ー3着ー4着以下 勝率 連対率 複勝率
やや重~不良 29-34-55-464 5.0% 10.8% 20.3%
やや重 11-20-22-233 3.8% 10.8% 18.5%
11- 8-22-148 5.8% 10.1% 21.7%
不良  7- 6-11-83 6.5% 12.1% 22.4%

 

道悪ダートの得意コース

  • 東京ダ2100
  • 京都ダ1800
  • 中京ダ1800

東京ダート2100は道悪の複勝率47.8%と異様に高い数値。未勝利~3勝Cまで好走歴があり、ダートが苦手なエピファネイアだからと言って軽視は禁物。

 

相性のいい母父

1着ー2着ー3着ー4着以下 勝率 連対率
ディープインパクト 84-102-79-641 9.3% 20.5%
キングカメハメハ 66-58-50-532 9.3% 17.6%
アグネスタキオン 33-40-36-293 8.2% 18.2%
ゼンノロブロイ 30-33-35-200 10.1% 21.1%
ダイワメジャー 25-25-30-241 7.8% 15.6%

上位1~10位まで、キングカメハメハを除いてすべてサンデーサイレンス産駒の馬。

エピファネイア×母父サンデー産駒だとサンデーサイレンス4×3のクロスが生まれる。

 

重賞の成績

  1. 母父キングカメハメハ(デアリングタクト、イズジョーノキセキ)
  2. 母父ハーツクライ(エフフォーリア)
  3. 母父ディープインパクト(アリストテレス、エピファニー)
  4. 母父Congrats※(ダノンデサイル)
  5. 母父デュランダル(ブローザホーン)

※Congratsはエーピーインディ系の種牡馬

ほかに凱旋門賞5着のビザンチンドリームは母父ジャングルポケット(フサイチエアデールの牝系なのでサンデーのクロスはある)

 

新馬戦の成績

  1. 母父ディープインパクト
  2. 母父キングカメハメハ
  3. 母父ゼンノロブロイ
  4. 母父ハーツクライ
  5. 母父ネオユニヴァース
  6. 母父ダイワメジャー

上記のほかにアベレージはいいのは母父ルーラーシップ。過去に7頭が新馬戦に出走して複勝率100%をキープ中

 

道悪(芝コース)の成績

  1. 母父ディープインパクト
  2. 母父アグネスタキオン
  3. 母父キングカメハメハ
  4. 母父ダイワメジャー
  5. 母父ゼンノロブロイ
  6. 母父フジキセキ

 

相性のいい騎手

1着ー2着ー3着ー4着以下 勝率 連対率
C.ルメール 54-45-34-93 23.9% 43.8%
川田将雅 29-19- 8-33 32.6% 53.9%
戸崎圭太 28-14-17-103 17.3% 25.9%
横山武史 28-14- 6-98 19.2% 28.8%
松山弘平 26-31-15-125 13.2% 28.9%

 

重賞の成績

  1. 松山弘平
  2. 横山武史
  3. 横山典弘
  4. 菅原明良
  5. M.デムーロ

 

相性のいい調教師

1着ー2着ー3着ー4着以下 勝率 連対率
杉山春紀(栗) 31-14-13-118 17.6% 25.6%
富田敬介(美) 20- 7-11-61 20.2% 27.3%
安田翔伍(栗) 19-14-16-48 19.6% 34.0%
木村哲也(美) 15- 9- 9-50 18.1% 28.9%
中内田充正(栗) 15- 8- 4-28 27.3% 41.8%

 

重賞の成績

  1. 安田翔伍(栗)
  2. 杉山春紀(栗)
  3. 鹿戸雄一(美)
  4. 国枝栄(美)
  5. 音無秀孝(栗)

 

種牡馬エピファネイアの今後

執筆中