2024/10/3(木)凱旋門賞のゲート番および馬番が決まりました!
そこで今回は、凱旋門賞2024の出走馬を一頭一頭分析していこうと思います。
凱旋門賞2024の出走馬(枠順と馬番)
ゲート | 馬番 | 馬名 | 性齢・国 |
1 | 1 | ザラケム | 牡4・仏 |
2 | 3 | ファンタスティックムーン | 牡4・独 |
3 | 7 | ブルーストッキング | 牝4・英 |
4 | 16 | アヴァンチュール | 牝3・仏 |
5 | 13 | ソジー | 牡3・仏 |
6 | 15 | シュルヴィー | 牝3・仏 |
7 | 12 | デリウス | 牡3・仏 |
8 | 9 | ルックドゥヴェガ | 牡4・愛 |
9 | 4 | アルリファー | 牡4・独 |
10 | 14 | ロスアンゼルス | 牡3・愛 |
11 | 10 | シンエンペラー | 牡3・日 |
12 | 5 | セヴェナズナイト | 牡4・仏 |
13 | 2 | アヤザーク | 牡5・仏 |
14 | 6 | コンティニュアス | 牡4・愛 |
15 | 11 | サンウェイ | 牡3・英 |
16 | 8 | マルキーズドゥセヴィニエ | 牝5・仏 |
※スマホでご覧の場合、上の出走表は右にスクロールできます
※馬券購入は馬番です。ゲート番で馬券購入しないようご注意ください
凱旋門賞2024の出走馬、各馬の分析
その1:ルックドゥヴェガ
ゲート番⑧、英ブックメーカーオッズ4.5
フランスダービー(芝2100)を優勝。ラストの直線で鋭く弾けて、2馬身差の勝利。
つづくニエル賞では初の芝2400m。果敢に逃げながらも3着。初の黒星となった。
☆強調材料☆
スタートが上手く、安定した先行脚質が魅力。また仏ダービーのように中距離ペースで流れても、最後に一脚使える。まさに競馬上手な優等生キャラ。
8番ゲートも競馬がしやすく、今回逃げることは無いと思うが、確実に先行してくると思う。Sペースでも淀みのないペースでも一脚使ってくるだろう。
▲不安材料▲
2400mの距離がどうか?
父のロぺデヴェガ(シャマーダル産駒)は同じく仏ダービーを勝ったが凱旋門賞で惨敗した。
ただニエル賞3着は、たたき台であったし、後続のプレッシャーが強く、レースの仕掛けが早かった(ラスト4F戦)のも影響したので、一概に距離が長かったとも言い難い。
同じ系統のタルナワ(父シャマーダル)は凱旋門賞で好走している。
■総合評価■
B評価
思い切って評価を下げた。ロペデヴェガ産駒は1800以下に良績が集中している。(2400GⅠ勝ち馬もいるにはいるが)
ただ凱旋門賞2着のタルナワの血統構成に近いものがあるので、こなす可能性はアリ。逆にこれくらいスピードの血が優勢でないと、現代の凱旋門賞は厳しいかもしれない。
ただ個人的にはニエル賞の負けがいやだな。本番でもマークがきつくなるはずで、タルナワレベルの走りはちょっと想像できなかった。
その2:ソジー
ゲート番⑤、英ブックメーカーオッズ5.5
仏ダービーでは3着だったが、つづくパリ大賞典(GⅠ)、ニエル賞を連勝して凱旋門賞に挑む。
☆強調材料☆
パリ大賞典、ニエル賞と凱旋門賞と同じロンシャン2400m戦を連勝。コース適性は今回のメンバーで一番。
とくに良かったのはパリ大賞典。レースは超Sペースで進み、レースの上がり3Fは推定34.07(フランスギャロップより)
この上がりを、ソジーは差し切っているので、かなり鋭い脚を使っている。ソジー自身は上がり33.65(11.09-10.96-11.6)だった
この決め手を活かすには内枠がベストだったが、今回見事に5番ゲートを手にした。
▲不安材料▲
仏ダービーで3着に負けている。中距離レースのような淀みの無いペースになった時に、パリ大賞典の決め手を引き出せるか?
またシーザスターズ産駒は2017年を最後に好走馬が出ていないのも気がかり。
■総合評価■
S評価
仏ダービーの3着は個人的にはまったく気にしてない。
(最近はエースインパクトやソットサスがいるが)凱旋門賞と仏ダービーは求められる適性が違うので直結しない、という考えがあるからだ。
現在の馬場状態、週末天気を見ても、田んぼのような極悪馬場にはなりそうもない。Sペース濃厚でもあるし、ソジーの決め手が活きると見ている。
その3:ロスアンゼルス
ゲート番⑩、英ブックメーカーオッズ6.0
英ダービーではシティオブトロイの意味不明な末脚に屈して3着だったが、愛ダービーでは優勝。前走の愛チャンピオンSでは後方2番手からの競馬。大外一気を見せたが、シンエンペラーに差し返され4着。
☆強調材料☆
過去10年では前走愛チャン組が最多の3勝。芝2000の愛チャンでは追走に手間取っていたので2ハロン延長はまちがいなくプラス。
オブライエンが、オーギュストロダンを回避したのは、馬場状態もあるが、この馬に自信があるから?
鞍上のライアンムーアも心強い。
▲不安材料▲
英ダービーを見ても、愛チャンを見ても、決め手があるわけでは無い。またシンエンペラーに差し返されたように末脚の持続力も超一流とは感じなかった。
ロンシャン2400への適性は疑問。
■総合評価■
B評価
かなり悩んでB評価とした。オブライエン&ムーアで人気先行しすぎると思うので。
でも改めて考えるとオブライエンはそこまで凱旋門賞キラーでもないし、実際去年もダメだった。ムーアがポジション取ってきたら怖いな、とは思うが、10番ゲートなら後方からチャンスを見て内に潜り込む戦略だろう。
後方から抜け出すような末脚は??
その4:シンエンペラー
ゲート番⑪、英ブックメーカーオッズ7.0
日本から果敢に遠征、我らのシンエンペラーが前走愛チャンピオン3着を経て、悲願「凱旋門賞、制覇」をつかみ取れるか。
まずは日本の競馬ファンとして、ガッツリ応援したいと思う
☆強調材料☆
凱旋門賞馬ソットサスの全弟と、血統的には申し分ない。そしてハイレベルの愛チャンピオンSは惜しい競馬、末脚を余らせながら3着。
前走愛チャン組は過去10年でもっとも凱旋門賞での成績が良い。今年はその愛チャンの1着2着が回避、そしてシンエンペラー自身も一叩きされて体調MAX。贔屓目で見なくてもかなりチャンスはあるだろう。
▲不安材料▲
11番枠というゲート番はどうか?馬の並び的にも、道中外を回らされる可能性は極めて高い。
またロンシャンでの実績のない若武者、坂井瑠星ジョッキーがどこまで馬の良さを引き出せるかも注目。(川田でもロンシャンは苦労していたように見えたので)
■総合評価■
S評価(オープンストレッチ使用の条件付き)
この馬の良さはとにかく末脚の持続力。日本の2000m戦でも活躍しているように、どんなペースでも長い末脚を引き出せるのが魅力だ。
またゲート番に関しては内枠よりも良かったと思っている。もしも内に入れば徹底マークされるのは目に見えている。それを捌き切るのは、欧州トップジョッキーでも至難の業だと思う。
また近年の凱旋門賞はオープンストレッチを採用している。これは最後の直線、内にガバっとスペースが開けるコース体型のこと。このスペースに馬群が散らばるので、外差しの馬があまりコースロス無く進路取りができるようになる。
実際、昨年は大外一気の馬が1・3着だった。
このオープンストレッチのおかげで、シンエンペラーは外をまわしても、末脚をそこまで削がれることは無いと予想する。
※2024年凱旋門賞でオープンストレッチを使用するかは現段階では不明、週末の情報を待とう
その5:アルリファー
ゲート番⑨、英ブックメーカーオッズ11.0
日本が誇る天才ジョッキー武豊騎乗。前走、ドイツのベルリン大賞を5馬身差で圧勝。返す刀で世界一の称号すらも手に入れるか。
☆強調材料☆
ベルリン大賞の圧勝で、ピークの状態で凱旋門賞に挑戦できそう。
エクリプスSではシティオブトロイの2着、昨年ギヨームドルナノ賞(GⅡ)ではエースインパクトの2着。超一流馬を相手に好走しており、実力も問題無し。
とくにギヨームドルナノ賞では、最後の直線エースインパクトと末脚比べを見せてくれている。
結果はエースインパクト上がり34.7、アルリファー上がり35.1と屈したが、最後まで食らいついていったように末脚の持続力を示した形になった。
↓↓ギヨームドルナノ賞のレース動画貼っときます
血統的にもいい。ゴーンウエスト系×ガリレオの配合でスピード優勢。(じっさいに1400のGⅠも勝つほど)
もちろん前走を見ても2400mの距離不安も無し。
現代の凱旋門賞はスピード血統の有無も重要。アルリファーは血統的な後押しも期待できる。
▲不安材料▲
やはり不安はローテか。
今年何を血迷ったのかアメリカ遠征をしてしまっている。アメリカ遠征、そしてドイツでの激走のあとの凱旋門賞。
疲労の蓄積がどうなのか?
■総合評価■
A評価
武豊が追い切り後に絶賛したように(気性や身体の柔らかさを誉めていた)、スピードと操縦性の良さが武器。
もちろんエースインパクトと張り合ったように、差し脚も兼ね備えているのが魅力。
今回は9番ゲートと何の不安もない。先行して、2列目から3列目を狙ってくるのではないか?体調さえ良ければ、極端な失速は考えずらい。
疲労の蓄積については正直分からんが。
その6:ブルーストッキング
ゲート番③、英ブックメーカーオッズ12.0
前走、凱旋門賞と同じコースの牝馬限定戦、ヴェルメイユ賞を勝利。勢いに乗って凱旋門賞に追加登録。強気の挑戦で戴冠なるか。
☆強調材料☆
過去10年で一番成績のいい3番ゲートを引き当てた。
凱旋門賞は斤量の軽い牝馬も、牡馬同様の成績(過去10年牡馬5勝、牝馬5勝)を残しているので、目が離せない。
実績もヴェルメイユ賞だけでなく、夏の総決算のGⅠキングジョージも最後方待機から大外一気で2着に来てるように、実力的にも通用することはすでに証明済みだ。
▲不安材料▲
やはりローテーションがきつすぎる。
前走9/15ヴェルメイユ賞自体はいいとしても、そのまえに8/21、7/27、6/29、5/16と詰め詰めのローテでここまで来ている。
(凱旋門賞はローテも大事ですよね)
しかも最初は凱旋門賞が目標では無く、ヴェルメイユ賞を勝ったことで、追加登録をしてるくらいだ。なのでヴェルメイユが大目標だったと見るのは当然で、もうお釣りが無い状態だとしても不思議ではない。
■総合評価■
B評価
まず陣営が絶好調だといっているのが、真実なのか、それともブラフなのか・・・
キングジョージ2着は素晴らしいが、適性的に凱旋門賞に直結するとは思えず。ゲート番③で人気過剰な面もあるしということで、個人的な評価は下げた。
もしこれで勝たれでもしたら、イギリス馬ということもあるし「鉄の女」という称号を与えたい。
その7:デリウス
ゲート番⑦、英ブックメーカーオッズ12.0
伏兵の一頭。まだGⅠ勝ちは無いが、パリ大賞典3着、ニエル賞2着と安定した追い込み脚を見せているので、警戒が必要か。
☆強調材料☆
超Sのパリ大賞典でも後方から追い込んできたように、展開不問な末脚を持つ。
パリ大賞典では上り3F33.57を記録。
ゲート番⑦も魅力。馬群のインで待機して、オープンストレッチならば前が壁になるリスクも軽減されるし、馬群を縫って追い込みを決める可能性もある。
▲不安材料▲
良馬場未経験。時計が速くなった時に、しっかり余力を持って追走できるか?速い上がりを使えるか?
もしも追走に苦労して最後方近くならば、ゲート番の恩恵を受けずに終わる可能性もある。
また末脚の持続力はあるが、スパっと切れる脚を見せたことが無いのも不満。ジリジリ伸びる感じだ。
■総合評価■
A評価
血統で見ると、フランケル産駒は魅力。
フランケルはここ3年で1着1回、2着1回、3着2回と活躍。
とくに時計の速かった昨年は2着3着がフランケル産駒。とくに3着のオネストは最後方から勝ち馬につぐ末脚を見せて、この走りが今回のデリウスと重なる。
もしかしたら早い馬場で弾けるかもしれない。
鞍上のメンディザバルも強気。前走、脚を測るような競馬で何か光るものを感じたのかもしれない。
その8:マルキーズドゥセヴィニエ
ゲート番⑯、英ブックメーカーオッズ21.0
芝1600~2000のGⅠを5勝。現在は4連勝中で、波に乗って凱旋門賞に挑戦だ。
☆強調材料☆
ソットサスと同じくシユーニ産駒。
5歳牝馬ながら牡馬相手にイスパーン賞を勝利。マイルGⅠを圧倒するスピードはもちろんのこと、たたき合いになったら負けない勝負根性も魅力。
前走のジャンロマネ賞では馬場の外々(かなりの距離損)をまわって力強く勝ったので、スタミナも意外とある?
▲不安材料▲
まさかの大外16番。全盛期のデットーリ騎乗ならば何かしでかすんじゃないかとワクワクするが、そうじゃなければ完全に不利な枠。陣営が頭を抱えているのが容易に想像できる。
距離2400も未知数。大外枠で好勝負するには、2016年3着のオーダーオブセントジョージくらいスタミナが無いと厳しい。
■総合評価■
C評価
その9:アヴァンチュール
ゲート番④、英ブックメーカーオッズ17.0
前走はヴェルメイユ賞で、ブルーストッキングの2着。先行馬にとって最高の枠をひいて一発を狙う
■総合評価■
C評価
前走はインコースをまわり、理想の競馬をしたにもかかわらず、直線では弾けず2着。
ゲート番④は魅力的も、激走する要素があまりなく、個人的には軽視したい。
その10:コンティニュアス
ゲート番⑭、英ブックメーカーオッズ34.0
■総合評価■
X評価(穴馬候補)
ハーツクライ産駒のアイルランド馬。個人的にはこの馬が外枠だったのはショック!!
まず今年の2戦、ロイヤルホイップ賞とフォワ賞を先行したのは不可解だった。フォワ賞に至っては逃げる形に。
ハーツクライ産駒ということで皆さまは想像しやすいと思うが、本来は英セントレジャーを勝った時のように後ろから差し脚を活かす形がベスト。
昨年の凱旋門賞5着も後ろからだった。
しかし今年に入っていきなりモデルチェンジ。
これは凱旋門賞を本気で獲るための試行錯誤のようにも見えた。
「後方待機だと、エースインパクトのような怪物には勝ち目がない。ならば先行で立ち回るしかない」
もちろんすべて個人的な妄想だが、結果としてはフォワ賞3着で先行馬としては壁を感じた。
ハーツクライ産駒と言えばドゥデュースを代表するように脚をためてこそ。ドゥデュースだって先行したらGⅠは勝てない。
今回は外枠を引いたことで、先行をあきらめて、昨年同様に後方待機で腹をくくる競馬をすると予想。
ならば高速馬場だった昨年5着は悪くない結果だし、エースインパクトのような怪物もいない。
そして今年は現状重馬場で、高速馬場にはなりそうもない。「ステイヤー」コンティニュアスにとっては、昨年より馬場状態は向くはずだ。
名手スミヨンの割には、人気薄確実だし、一発あっていい。
その11:アヤザーク
ゲート番⑬、英ブックメーカーオッズ63.0
■総合評価■
X評価(穴馬候補)
昨年の凱旋門賞は惨敗したが、今年の成績は安定している。
ガネー賞ではアルリファーをはじめGⅠ常連組を相手に勝利。イスパーン賞では逃げながらも最後差し返して3着と非凡なのものを示している。
今年のローテーションは明らかに凱旋門賞を狙ったもので、前残りの展開なら一発がある。
昨年の凱旋門賞14着は、馬群の中の競馬でかなり折り合いを欠いてしまい、惨敗そのものは気にしなくていい。
今年は気性が安定してきているのが、はたまた積極的な競馬が合っているのか、折り合いの心配が無くなっている。それゆえに成績が安定してるのかもしれない。
揉まれない外目の枠も、いい方に働く可能性あり。
また父のザラックは4歳にして初めてGⅠを勝利したように古馬になって完成する系統。ザラック産駒のザグレイも4歳になって初GⅠ勝利。
同じくザラック産駒のアヤザークも今年になって明らかに本格化してるように、父同様4歳で大輪を咲かせても何ら不思議ではない。