こちらの記事ではハービンジャー産駒の、東京競馬場の成績データをまとめて、さらに細かく分析していきたいと思います。
※データは2024/10/4時点でのもの
ハービンジャーの血統表
イギリスのGⅠキングジョージ6世&クイーンエリザベスSを7馬身差のレコード勝ちしたハービンジャー。
引退後に社台グループに購入され、日本で種牡馬入りした。
ゴリゴリの欧州血統ながら、初年度からペルシアンナイト、モズカッチャン、海外GⅠも勝ったディアドラを輩出して、日本競馬への順応性を示す。何といってもサンデーサイレンス系、キングカメハメハ主流の時代で、GⅠ馬を多数輩出して異彩を放ったことは称賛に値すると思う。
他に代表産駒は、有馬記念を勝ったブラストワンピースがいる。
2024年現在も、チェルヴィニアがオークスを勝っており、まだまだ目が離せない血統だ。
ハービンジャー産駒の東京競馬場データ【芝コース編】
芝コースのスコア
1着ー2着ー3着ー4着ー5着ー着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | |
芝全 | 75-76-70-88-83-489 | 8.5% | 17.1% | 25.1% |
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ハービンジャーは(意外と?)優秀で、苦手な福島を除けば、すべての競馬場で均一な成績を残している。
ただしハービンジャー産駒は牡牝で傾向がだいぶ違うので注意が必要。
たとえば、東京競馬場の重賞(GⅠ~GⅢ)
東京の重賞レースは速い上がり(ラスト3F)になるケースがほとんどなので、
速い上がりを使える牝馬が絶好調。
逆に速い上がりのレースが苦手な牡馬が絶不調。
■東京芝の重賞
牝馬 8-4-4-27 勝率18.6%、連対率27.9%
牡馬 2-1-0-46 勝率4.1%、連対率6.1%
※牡馬はセン馬も含む
この牡牝の違いは重要なので、後述する距離別の項でも牡牝の成績を紹介していこうと思う。
もうひとつ、牡牝の差で大きいものにコース区分による成績というのもある。
牡馬は、コース幅の広いAコース、Bコースが苦手、幅の狭いCコース、Dコースが得意。
(とくにCコースだけ突出したデータを叩き出している)
逆に牝馬は、幅の広いAコース、Bコースが得意で、幅の狭いCコース、Dコースで成績を落とす。
これはオカルトっぽいかもしれないが、
牡馬は開幕直後の高速馬場が苦手、逆に牝馬はスピードとキレを活かせる開幕直後の馬場が得意ということかもしれない。
もちろん牡馬はAコース、Bコースなどのコース自体があまり得意ではない可能性もあるが。
(牡馬は、AコースBコースで重賞3着以内が無い)
またハービンジャーの東京芝コースでの大きな特徴として「枠順」が挙げられる。
ハービンジャーは末脚を出し切る競馬をしたほうがよく、レース中に自在に動ける外枠のほうが強い。
(1着-2着-3着)勝率
- 1枠(5-10-6)5.6%
- 2枠(7-9-9)7.8%
- 3枠(6-11-15)5.6%
- 4枠(5-9-7)4.9%
- 5枠(8-7-2)8.4%
- 6枠(14-5-8)11.0%
- 7枠(14-9-8)10.7%
- 8枠(16-16-15)11.5%
内枠だと窮屈な競馬になり脚を余すことが多い印象があり、結果として勝率が低く、1着より2~3着のほうが多い。
そして6枠より外だと勝率は10%を超えて、8枠だと馬券内に好走する馬が圧倒的に多くなる(複勝率33.8%)
とくに牡馬にその傾向が強く、完全に外枠確変種牡馬と化している。
これは(昔散々言われた)外枠のダンジグ系、というよりも、ハービンジャー牡馬に不器用な馬が多く、多少外をまわしても末脚を出し切ったほうがいいからでは?と睨んでいる。
芝コースの距離別スコア【1400-1800部門】
1着ー2着ー3着ー4着ー5着ー着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | |
芝1400 | 4- 6- 9-10- 8-56 | 4.3% | 10.8% | 20.4% |
芝1600 | 17-22-13-16-15-107 | 8.9% | 20.5% | 27.4% |
芝1800 | 22-19-16-28-23-127 | 9.4% | 17.4% | 24.3% |
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芝1400m
ハービンジャー産駒は、阪神1400が大得意。(勝率12.1%)
それに比べると、東京芝1400は計4勝、勝率4.3%とかなり不振だ。
▼京王杯スプリングカップの成績
1着ー2着ー3着ー4着ー5着ー着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0- 0- 0- 0- 0- 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
芝1600m
ハービンジャー産駒は芝1600の競馬場別成績は、1位が中山で、その次に今回の東京が続く。
東京マイルの連対率20.5%はかなり優秀で、これは中山を上回っている。
全17勝のうち、牡馬4勝、牝馬13勝で、勝ち切るのは牝馬が多い。
牡馬の4勝の内訳は8枠3勝、6枠1勝。1枠はダメで、2~4枠はゼロ勝、2.3着が異様に多い。
牝馬の13勝の内訳は1枠~8枠でそれぞれ勝利を挙げているが、一番最初に書いた通り外に行くほど勝利数が多くなる。
ちなみに東京芝1600の重賞を見てみると、
過去3着以内に好走した馬は、すべて牝馬。
牝馬は勝率16.7%、連対率23.3%、複勝率30.0%とかなりの好成績をあげている。
(ただ東京マイルで好走するハービンジャー牝馬はすべてノーザンファーム生産馬)
逆に牡馬は3着以内はいまだかつて無い。勝率も複勝率ももちろん0.0%。
東京芝1600mは速い上がりを使えないと勝負にならないので、牡馬は平場戦で(しかも外枠のときに)注意しておけばいいだろう。
▼安田記念の成績
1着ー2着ー3着ー4着ー5着ー着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0- 1- 0- 1- 0- 5 | 0.0% | 14.3% | 14.3% |
24年ナミュールが2着(4人気) |
▼ヴィクトリアマイルの成績
1着ー2着ー3着ー4着ー5着ー着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1- 0- 1- 0- 0- 2 | 25.0% | 25.0% | 50.0% |
19年ノームコアが勝利(5人気) |
▼NHKマイルカップの成績
1着ー2着ー3着ー4着ー5着ー着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0- 0- 0- 0- 0- 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
▼富士ステークスの成績
1着ー2着ー3着ー4着ー5着ー着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
2- 0- 0- 1- 2- 2 | 28.6% | 28.6% | 28.6% |
19年ノームコアが勝利、23年ナミュールが勝利 |
▼東京新聞杯の成績
1着ー2着ー3着ー4着ー5着ー着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0- 1- 1- 0- 0- 1 | 0.0% | 33.3% | 66.7% |
▼クイーンカップの成績
1着ー2着ー3着ー4着ー5着ー着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1- 0- 0- 0- 0- 0 | 100% | 100% | 100% |
22年プレサージュリフト勝利(2人気) |
▼アルテミスステークスの成績
1着ー2着ー3着ー4着ー5着ー着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1- 0- 0- 0- 1- 3 | 20.0% | 20.0% | 20.0% |
23年チェルヴィニアが勝利 |
芝1800m
ハービンジャー産駒は、洋芝(札幌、函館)の1800mにやたら強い。
個人的な印象としては、ジリ脚傾向のハービンジャー牡馬は「時計がある程度かかる、きれいな良馬場(わがままw)が得意」という印象があり、時計がかかるけど荒れ馬場(または道悪)はあまり得意なイメージは無い。結果として福島はあまり得意ではない。
東京芝1800mは、
芝1600とは違い、牡馬・牝馬ともに均等に成績を残しており、連対率は牡馬のほうが上。
牡馬(12-13-9)勝率9.6%、連対率20.0%
牝馬(10-6-7)勝率9.1%、連対率14.5%
牡馬はやはり外枠のほうが成績が良く、2024年のエプソムカップ(Cコース)では8枠17番のニシノスーベニアが9番人気で2着に激走した。
重賞勝ちは、ディアドラ(府中牝馬)、ニシノデイジー(東スポ2歳・Cコース)、ファントムシーフ(共同通信杯・Dコース)の3勝。
牡馬で2勝を挙げている。(牡馬得意のCコース、Dコース)
ハービンジャー牡馬は東京重賞と相性が悪く、芝1600以下で重賞3着以内ゼロ、芝2000以上でも重賞3着以内ゼロ。
つまり芝1800mだけが東京の重賞をかろうじて好走できているということになる。
そんなハービンジャー牡馬にとって、貴重なオアシスと化している東京1800だが、かといって積極的に買える舞台というわけでもなく、
良績はCコース、Dコースなので、開幕直後のAコースなどでは疑問の目で見たほうがデータ的にはいいと思う。
今週の毎日王冠(Aコース)で、ハービンジャー牡馬のローシャムパークが出走予定!
ハービンジャー牡馬苦手のAコースで結果はどうなるか!?
2~3番人気想定なので、結果に注目!
追記 ローシャムパークは2番人気で10着と大敗
▼毎日王冠の成績
1着ー2着ー3着ー4着ー5着ー着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0- 0- 0- 1- 0- 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
▼アイルランドトロフィー府中牝馬の成績
1着ー2着ー3着ー4着ー5着ー着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1- 0- 0- 0- 1- 1 | 33.3% | 33.3% | 33.3% |
18年ディアドラが勝利 |
▼エプソムカップの成績
1着ー2着ー3着ー4着ー5着ー着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0- 1- 0- 1- 0- 2 | 0.0% | 25.0% | 25.0% |
24年ニシノスーベニアが激走2着(9人気) |
▼共同通信杯の成績
1着ー2着ー3着ー4着ー5着ー着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1- 0- 0- 0- 1- 0 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
23年ファントムシーフが勝利 |
▼東京スポーツ杯2歳Sの成績
1着ー2着ー3着ー4着ー5着ー着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1- 0- 0- 1- 0- 2 | 25.0% | 25.0% | 25.0% |
18年ニシノデイジーが激走、勝利(8人気) |
芝コースの距離別スコア【2000-3400部門】
1着ー2着ー3着ー4着ー5着ー着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | |
芝2000 | 17-13-21-22-19-94 | 9.1% | 16.1% | 27.4% |
芝2400 | 14-15- 9-11-17-85 | 9.3% | 19.2% | 25.2% |
芝2500 | 0- 0- 0- 1- 0- 6 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
芝3400 | 0- 0- 0- 0- 0- 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
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芝2000m
芝2000mの申し子とも言えるハービンジャー。
各地で好成績を叩き出しているが、どちらかと言えば小回りで上がりのかかる芝2000が得意。
東京や新潟などの最後の直線の長いコースではあまり勝ち星は量産できていない。
とはいっても、東京コースは複勝率は27.4%いっているので決して無視できる存在ではないだろう。
牡牝別で見ると、全17勝のうち牡馬(セン馬)は12勝、牝馬は5勝。
ただハービンジャー牡馬は、東京2000では重賞、オープンはおろか3勝クラス以上の高級条件での勝利が無し。
やはり格の高いレースでは、小回りの芝2000で実績を残している。
また余談だが、
ハービンジャー牡馬の東京2000mの成績は、こちらもやはりA~Bコースより、コース幅の狭いC~Dコースの方がアベレージがいい。
勝率を見ると A5.1%、B7.9%、C16.7%、D10.0%
やはり開幕直後の馬場は、ハービンジャー牡馬には合わなそうだ。
この記事の前半にも書いたが、ハービンジャー産駒の取捨を予想するときは、使用コースを確認することも有用かもしれない。
▼天皇賞秋の成績
1着ー2着ー3着ー4着ー5着ー着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0- 0- 0- 0- 0- 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
▼フローラステークスの成績
1着ー2着ー3着ー4着ー5着ー着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1- 1- 1- 0- 0- 6 | 11.1% | 22.2% | 33.3% |
17年モズカッチャンが激走、勝利(12人気) 17年ヤマカツグレースが激走2着(10人気) ※17年はワンツーフィニッシュ |
芝2400m
▼日本ダービーの成績
1着ー2着ー3着ー4着ー5着ー着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0- 0- 0- 0- 2- 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
▼オークスの成績
1着ー2着ー3着ー4着ー5着ー着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1- 1- 1- 2- 1- 5 | 9.1% | 18.2% | 27.3% |
24年チェルヴィニアが勝利 17年モズカッチャンが2着(6人気) |
▼ジャパンカップの成績
1着ー2着ー3着ー4着ー5着ー着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0- 0- 0- 0- 0- 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
芝2500m
▼目黒記念の成績
1着ー2着ー3着ー4着ー5着ー着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0- 0- 0- 0- 0- 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
▼アルゼンチン共和国杯の成績
1着ー2着ー3着ー4着ー5着ー着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0- 0- 0- 0- 0- 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
芝コースの道悪スコア
1着ー2着ー3着ー4着以下 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | |
やや重~不良 | 8-14-13-115 | 5.3% | 14.7% | 23.3% |
やや重 | 5-11- 8-74 | 5.1% | 16.3% | 24.5% |
重 | 2- 1- 1-28 | 6.3% | 9.4% | 12.5% |
不良 | 1- 2- 4-13 | 5.0% | 15.0% | 35.0% |
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ハービンジャー産駒の東京競馬場データ【ダートコース編】
ダートコースのスコア
1着ー2着ー3着ー4着ー5着ー着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | |
ダート全 | 7- 5- 9- 7- 6-135 | 4.1% | 7.1% | 12.4% |
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ダートコースの距離別スコア
1着ー2着ー3着ー4着ー5着ー着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | |
ダ1400 | 2- 2- 3- 1- 0-20 | 7.1% | 14.3% | 25.0% |
ダ1600 | 4- 1- 3- 4- 5-64 | 4.9% | 6.2% | 9.9% |
ダ2100 | 0- 2- 3- 2- 1-44 | 0.0% | 3.8% | 9.6% |
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ダートコースの道悪スコア
1着ー2着ー3着ー4着以下 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | |
やや重~不良 | 0- 3- 1-58 | 0.0% | 4.8% | 6.5% |
やや重 | 0- 2- 0-27 | 0.0% | 6.9% | 6.9% |
重 | 0- 1- 1-18 | 0.0% | 5.0% | 10.0% |
不良 | 0- 0- 0-13 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
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