今年は久しぶりに外国から有力馬が参戦。
英愛ダービーはじめGⅠ6勝のディープインパクト産駒のオーギュストロダン。
英キングジョージの勝ち馬で、馬主もイレ込みまくっているゴリアット。
そして凱旋門賞では取り消しの取り消し、というお騒がせをした独GⅠ馬ファンタスティックムーン。
個性豊かな外国馬3頭が、第44回ジャパンカップを盛り上げる。
↓まずは下の記事を見てほしい
過去10年血統データの記事では、
母父にアメリカ血統またはスピード血統を持った馬の好走が圧倒的に多く、
逆に父か母父に欧州血統を持った馬の成績が壊滅的に悪い、と書いた。
ところが今年のジャパンカップは欧州血統の血を持った馬が半数ほど。
もしも欧州血統持ちを無条件で切った場合、残った馬は8頭しかいなくなってしまう。
残った8頭で勝負するか、どこかで妥協して欧州持ちを再考するか。
はたまたレジェンド級の外国馬は例外として取り扱うか・・・かなり予想が難しいのは間違いない。
ジャパンカップ2024の出走予定馬
※2024/11/19現在
人気 | 馬名 | 性齢 | 種牡馬名 |
1 | ドウデュース | 牡5 | ハーツクライ |
2 | チェルヴィニア | 牝3 | ハービンジャー |
3 | 外オーギュストロダン | 牡5 | ディープインパクト |
4 | ジャスティンパレス | 牡5 | ディープインパクト |
5 | スターズオンアース | 牝5 | ドゥラメンテ |
6 | 外ゴリアット | セ4 | アードラーフルーグ |
7 | シンエンペラー | 牡3 | シユーニ |
8 | ソールオリエンス | 牡4 | キタサンブラック |
9 | ドゥレッツァ | 牡4 | ドゥラメンテ |
10 | ダノンベルーガ | 牡5 | ハーツクライ |
11 | ブローザホーン | 牡5 | エピファネイア |
12 | プラダリア | 牡5 | ディープインパクト |
13 | シュトルーヴェ | セ5 | キングカメハメハ |
14 | 外ファンタスティックムーン | 牡4 | シーザムーン |
15 | カラテ | 牡8 | トゥザグローリー |
※人気順は想定
ジャパンカップ2024の出走予定馬の血統チェック
①ドウデュース
天皇賞秋を上がり32.5という驚異の末脚で勝利。
ハーツクライ産駒が出てきた当初はズブいステイヤーが多かったが、スピードあるアメリカ血統の肌馬との配合が主流になり、結果的に瞬発力であったり、コーナーでの機動力だったり、素軽い産駒が続々と出てきた。
その代表例が、リスグラシューであったり、スワーヴリチャードであったり、そして今回のドウデュース。
ドウデュースの母父はヴィンディケーション。シアトルスルー×ストロベリーロード(ニジンスキー系)というメチャクチャかっこいい配合。
ドウデュース母のダストアンドダイヤモンズは、ヴィンディケーションに加えて、ゴーンウエストの血もあるので、かなりスピード色が強い血統。現役時代にはアメリカでBCフィリー&メアスプリント(GⅠダ1400m)で2着になったほど。
結論を言うと、まさにダービーやジャパンカップの東京2400mGⅠを勝つために考え出された配合であるだろうと断言したい。
ジャパンカップでは母父アメリカ血統の馬が大活躍しており、ハーツクライ×アメリカ血統もすでにスワーヴリチャード、シュヴァルグランの2勝をはじめ、過去10年に馬券圏内にのべ5頭も好走馬を出している。(他にはジャスタウェイの2着もある)
血統評価はもちろん満点。
あとは天皇賞秋の反動。そして好走するときと、好走しない時のムラが比較的大きい方なので、そこがどうかだけ。
できれば日本の総大将として、外国馬とのたたき合いの末に優勝を飾ってほしい・・・というのが日本の競馬ファンとしての理想。
(もちろん他の日本馬も頑張ってほしい!)
ドウデュースの評価
血統 | S | |
戦績 | S | |
ローテ | A |
②オーギュストロダン
※オーギュストロダンは、母父欧州血統でデータ的にはマイナス。だが、過去10年にここまでのレジェンド級の外国馬の参戦は無かったため、今回の外国馬に関しては欧州血統のデータ抜きに個別に分析していきたい
父は日本の伝説的トップサイアーのディープインパクト。
そのディープを種付けするために日本へ持ち込まれた繁殖牝馬が、ロードデンドロンである。
ロードデンドロンは、欧州の1600m~2000mのGⅠ3勝馬。この他にも英オークス2着、米BCフィリー&メアターフ2着などがある。
ロードデンドロンの全妹にはGⅠ7勝のマジカルがいる。
今回、オーギュストロダンの日本の馬場適性を考えるうえで、やはり母のロードデンドロンについて考察しなければなるまい。
父ディープインパクトは文句なし、ならば考えるべきは母系。
母ロードデンドロンは大種牡馬ガリレオ×ピヴォタルの配合。正直、額面だけでみると欧州血統の重さは感じられる。
ただロードデンドロン自身はマイルGⅠを2勝しており、なおかつアメリカのBCフィリー&メアターフ(この年だけ芝1800mだった)を2着。
とくにアメリカのBCでは芝1800を1分47秒台前半で走破しており、時計勝負にも対応している。
そして同じ血統の全妹マジカルも、GⅠ7勝の他に、アメリカのBCターフで2着、香港カップで3着と勝てはしなかったが、時計勝負にしっかり対応していた。
(※香港Cは、1着ノームコア、2着ウインブライト、3着マジカル、4着ダノンプレミアム)
ガリレオ×ピヴォタルの配合でこのようなスピードが受け継がれているのは、そのさらに母系にいるスプリンター血統インディアンリッジが効いていると睨んでいる。
インディアンリッジは5ハロンの重賞ウィナーで、高松宮記念勝ちのマッドクールの母父。
このような短距離のスペシャリストの血が母系に入ることにより、ロードデンドロンおよび全妹のマジカルはマイルも走るし、アメリカや香港といった比較的速い芝コースでも走れる。
そしてそのロードデンドロンに種付けされたのが、日本の至宝ディープインパクト。
スピードの下地もあり実績もある牝馬に、ディープインパクトの配合なので、個人的には東京芝2400でも大いに期待できると考えている。
その根拠というわけでは無いが、オーギュストロダン自身は超Sペースとなった英ダービーで上がり3F33.01(上がり4F44.14)という破格の末脚で優勝している。(RacingTVより引用)
#オーギュストロダン
英ダービーで見せた上がり4ハロン改めて見てもヤバいな・・・いわゆるロングスプリント能力ってやつ?
東京2400は合いそう・・・ってディープインパクトだから当たり前か😅#ジャパンカップ pic.twitter.com/tyTZYx1h3h— 大樹-TAIKI-◆競馬DAI技林◆血統予想で万馬券を獲る (@keibadaigirin) November 19, 2024
もちろんジャパンカップと英ダービーを直接比較できるわけでは無いが、上がり33.01という数値は、かなり強調できる結果だと思う。
オーギュストロダンは、英愛ダービー以外にもBCターフも勝ってるわけだしね。
ちなみにオーギュストロダンと同配合の、ディープインパクト×ガリレオの配合は日本でも何頭か走っており、重賞2勝&秋華賞3着のカンタービレ、青葉賞勝ちのヴァンキッシュラン、大阪ハンブルクC勝ちのアーティットなどがいる。
オーギュストロダンの評価
血統 | A | |
戦績 | S | |
ローテ | A |
③チェルヴィニア
父ハービンジャー 母父キングカメハメハ
オークス、秋華賞の牝馬2冠と実績は申し分ないが、かなり扱いに迷う馬。
ジャパンカップ過去10年は父か母父に欧州血統を持った馬の凡走が相次いでおり、父がキングジョージ勝ち馬のハービンジャーというのはマイナス要素となる。
現に欧州血統持ちのオークス馬は、ミッキークイーンやソウルスターリングが人気を背負いながら馬券圏外に負けている。
とくにミッキークイーンは、同じオークス、秋華賞2冠制覇後の挑戦だったので境遇は似ているのが気がかり。
個人的にはもちろん評価を落とすし、ルメール神マジック炸裂でどこまで上位に食い込めるか・・・だと思っている。
チェルヴィニアの評価
血統 | B | |
戦績 | A | |
ローテ | S |
④ジャスティンパレス
父ディープインパクト 母パレスルーマー 母父ロイヤルアンセム
母パレスルーマーは【ロイヤルアンセム-シアトリカル-ヌレイエフ】の血統。ロイヤルアンセムはBCターフ2着の実績があるとはいえ、欧州血統の種牡馬。
パレスルーマーは、米GⅠ馬のパレスマリスを出しているが、これは父カーリンの影響が大きく出たと思う。
他の産駒は、ステイヤーズSアイアンバローズ、天皇賞春ジャスティンパレスなので、あまりスピード色が強いわけではない。
なので、今回のジャパンカップでは、ジャスティンパレスは血統的にあまり推しにくい馬。
天皇賞秋(2着&4着)の成績が優秀なので怖い存在ではあるのだが、ジャパンカップはSペースから、ラスト4ハロン戦(ロングスプリント)になる舞台なので、天皇賞秋と求められる適性が似てるようでじつは違う。
その高速ロングスプリントこそアメリカ血統の有無が重要となる原因では無いか?との個人的な推測もあるので、今回のジャスティンパレスを軽視したい根拠にもなっている。
ジャスティンパレスの評価
血統 | B | |
戦績 | B+ | |
ローテ | A |
⑤スターズオンアース
父ドゥラメンテ 母父スマートストライク
母父スマートストライクはアメリカのハンデGⅠを1勝しただけだが、種牡馬として大成功。カーリン、イングリッシュチャネルなど数多くのステークスウイナーを輩出した。
スターズオンアースは、ソウルスターリングを輩出した欧州牝系ではあるが、父&母父はどちらも欧州血統では無いため、データ通り2023ジャパンカップを好走した。
昨年はジャパンカップでは8枠17番、有馬記念では8枠16番・・・とかなり運が悪い絶対的に不利な枠順から、どちらも馬券圏内に好走。
オークスでは持続力のある末脚で優勝したが、それ以降の戦績を見ても先行して粘り込む競馬が一番実力を発揮しやすいように思える。
今回も有力馬の一頭。
不安なのは状態面だけ。ドバイ惨敗後の8ヶ月ぶりの競馬なので、昨年のJC⇒有馬のときの能力を発揮できるかは疑問ではある。
非ノーザンファームということもあり長期休み明けは全幅の信頼は?
社台ファームは菊花賞でダノンデサイルでぶっつけGⅠ結果出せなかったのも不満ではある。
スターズオンアースの評価
血統 | A+ | |
戦績 | A | |
ローテ | C |
⑥ゴリアット
父アドラーフルーク 母父シャマーダル
※ゴリアットは、欧州血統でデータ的にはマイナス。だが、過去10年にここまでのレジェンド級の外国馬の参戦は無かったため、今回の外国馬に関しては欧州血統のデータ抜きに個別に分析していきたい
父アドラーフルークは代表産駒にトルカータタッソ(重馬場の凱旋門賞勝ち)
【インザウイングス-サドラーズウェルズ】の系統。インザウイングスは過去にJC勝ちのシングスピールを輩出しているものの、今の東京芝2400で鋭い瞬発力を繰り出すとは正直考えにくい血統ではある。
ただゴリアットは母父シャマーダル(ストームキャット系×マキャベリアン)でスピード色が補給されており、日本に対する適性も底上げされていそうなのが怖い。
ゴリアット自身、キングジョージを過去10年で2番目に速いタイムで勝利しているのも、母父の影響が大きいと思う。
ただそれでも全体的にパワーに秀でた血統ではあるため、ジャパンカップの傾向にはマッチしないように思える。
ローテーションはまさにJCを獲りに来ている本気度MAXのようにも思えるが、セン馬だから凱旋門賞に出られなかったり、JCの5億円特別ボーナス狙いなどの事情もあるので、あまり陣営や馬主の強気のコメントは気にしないようにしている。
血統予想の当サイトなので「来たらゴメンナサイ」をするしかない。
ゴリアットの評価
血統 | B | |
戦績 | A+ | |
ローテ | A+ |
⑦ファンタスティックムーン
父シーザムーン 母父ジュークボックスジュアリー
ファンタスティックムーンは独GⅠバーデン大賞を好時計勝ち。
2.28.03というタイムは過去10年で最速。それ以前にこれより速いタイムで勝った馬はランド、ピルサドスキーとジャパンカップ勝ち馬の名が連なる。
ファンタスティックムーンは固い馬場が好みらしく、前走の凱旋門賞は当日に雨が降ったことで直前に出走取り消しを発表。しかし取り消し料金が高額ということで「取り消しの取り消し」をした。
そんな顛末があるほど高速馬場向きらしいが、血統は父も母父もコッテコテの欧州血統。
さすがに世界レコードが飛び出すようなジャパンカップという舞台に合うとはとても思えない。
父はシーザムーン。凱旋門賞馬シーザスターズの直仔で、【ケイプクロス-グリーンデザート-ダンジグ】の系統。
母父はジュークボックスジュアリー。こちらも凱旋門賞馬モンジューの直仔で、サドラーズウェルズ系。
ファンタスティックムーンの配合はかなり重厚なもので、ジャパンカップでは人気しないとは思うが、個人的にも無印にする予定。
ファンタスティックムーンの評価
血統 | C | |
戦績 | B | |
ローテ | B |
⑧ドゥレッツァ
父ドゥラメンテ 母父モアザンレディ
モアザンレディはアメリカのスピード血統でサンデーサイレンスと同じヘイローの系統。
母父モアザンレディの競走馬は、オーストラリアを中心に1200m~1600mの重賞ウイナーが数多くいる。
日本でもカフェファラオ、ナックビーナスといった短距離馬がいる。
なので、ドゥラメンテ×モアザンレディの配合で菊花賞を勝ったのは衝撃的。ルメールの神騎乗のおかげでもあるが、同時にドゥラメンテの種牡馬としての計り知れない能力も感じることができた。
そんなドゥレッツァも今年はなかなか結果が出ない。
天皇賞春は15着と大敗。やはり母系はスピードが勝っているため3200は長いのは間違いない。
そして英インターナショナルSの挑戦。こちらは外枠から終始外々を回らざるを得なかった展開は不運だったが、やはり欧州適性が無かったと見ていいと思う。
そして海外帰りはジャパンカップ。
正直どこまで調子が戻ってるか分からないが、ベストなコースだとは思う。
ドゥラメンテ産駒は東京芝2400で超高アベレージを残しているし、なによりドゥレッツァ自身も過去東京コースで好レース、とくにホンコンJCTでは高いロングスプリント能力(上がり高速4ハロン)を見せてくれた。
ノーザンファーム外厩でしっかり仕上げられば、チャンスはあると思う。
ドゥレッツァの評価
血統 | X | |
戦績 | A | |
ローテ | B |
ジャパンカップの最終予想は、土曜日の夜を予定しております。
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