今週は、クラシック3冠目の菊花賞!!
皐月賞を勝ったジャスティンミラノは不在だが、日本ダービー馬のダノンデサイルが登場。
セントライト記念を快勝したアーバンシック、神戸新聞杯を爆逃げ勝ちしたメイショウタバルなど多彩なメンツが揃っており、
3歳最強をかけて、熱い淀の3000m戦が期待できる。
この記事では菊花賞2024の出走予定馬を一頭ずつ血統的に分析していこうと思います。
菊花賞2024の出走予定馬
予想人気 | 馬名 | 予定騎手 |
1 | アーバンシック | ルメール |
2 | ダノンデサイル | 横山典 |
3 | メイショウタバル | 浜中 |
4 | コスモキュランダ | デムーロ |
5 | ヘデントール | 戸崎 |
6 | アドマイヤテラ | 武豊 |
7 | メリオーレム | 川田 |
8 | シュバルツクーゲル | 松山 |
9 | ピースワンデュック | 柴田善 |
10 |
ショウナンラプンタ
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鮫島駿 |
11 | エコロヴァルツ | 岩田康 |
12 | ハヤテノフクノスケ | 岩田望 |
13 |
アスクカムオンモア
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— |
14 |
ビザンチンドリーム
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シュタルケ |
15 |
ミスタージーティー
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坂井 |
16 |
ウエストナウ
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西村 |
17 |
ノーブルスカイ
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池添 |
18 |
アレグロブリランテ
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横山和 |
※10/16現在の情報
菊花賞2024の出走予定馬を血統的に分析しまくる
①アーバンシック
父スワーヴリチャード 母父ハービンジャー
新種牡馬スワーヴリチャードは、この3歳世代が初年度産駒。ゆえにまだ長距離のデータが無い。
なのでデータ分析よりも憶測の部分が多くなってしまうことをご了承ください。
現在のところスワーヴリチャード産駒がもっとも得意とする距離レンジは1600~2200m。
2400m以上は10回出走があるものの勝利数ゼロとなっている。
得意な競馬場は、まず東京コース、そして中山(とくに外回りコースが鬼強い)、新潟外回り。そして京都外回りも、勝率は落とすが複勝率が高く、そこまで苦手傾向は無い。
コーナー勝負よりも、ラストの直線勝負が得意な種牡馬だと判断できる。
個人的なイメージでは、ジャスタウェイよりもハーツクライっぽさがあり、しかしアンブライドルドの血が加えられているので、ハーツクライよりも素軽い瞬発力(おまけに早熟性)がある。
ハーツクライ産駒は、最近はめっきり長距離レースでは出番が無いけど、
初期のころは、シュバルグラン、ウインバリアシオン、アドマイヤラクティなど多彩なステイヤーが多かったから。
なのでスワーヴリチャード産駒も3000mという距離は心配はあまりしていない。
ただアーバンシックの場合は、気性的なものを考えると、ステイヤーっぽさは感じないかな・・・
大歓声の日本ダービーでイレ込んでまともな競馬ができなかった。菊花賞はスタンド前発走では無いとはいえ、雰囲気はかなりのものなんで。
初遠征でもあるし、どうなるかは不安の方が多い。
気性的なリスクを取るか、ルメールの手腕を取るか。
この馬の取捨は、菊花賞でも大きなポイントとなるのは間違いない。
■総合評価 A
血統的には問題無いとは思うが、気性的なリスクが。
②ダノンデサイル
父エピファネイア 母父コングラッツ(エーピーインディ系)
くわしくはエピファネイア産駒×京都競馬場の分析記事をご覧ください。京都3000mにも言及しています。
ダノンデサイルに関しては母系うんぬんで距離不安を唱える人もいるだろうね・・・
そういえばキタサンブラックの菊花賞前にも同じことを聞いたことがあるような。
個人的には母系に関しては心配していない。天皇賞春2着のブローザホーンにいたっては母父デュランダルだからね。
それよりもやはり気性面。しっかり落ち着いてレースに進めれば長距離も問題無いようには思う。
■総合評価 S
エピファネイア牡馬はステイヤータイプの馬も多い。多少雨で馬場が渋っても問題無いと予想する。後は休み明けがどうでるかだろう。
③メイショウタバル
父ゴールドシップ 母父フレンチデピュティ
ゴールドシップ産駒からついに王道のステイヤーが出たね。ゴルシの仔を大量に生産したマイネル系じゃなくて三嶋牧場というのが何ともね。
産駒は言うまでもなく長距離志向。距離別では2600mと3000mの勝率が10%を超えて優秀。
京都大賞典でも大穴が出たように、京都外回りの成績もいい。
なので京都3000の適性は、メンバー随一といっても過言では無いと思う。
ただ逃げ先行馬ということで、やっぱり気分良く行かせられるか。折り合いも大事だし、Sペース過ぎても後ろの馬に瞬発力でやられてしまう。
浜中次第だと思う。
でもゴルシ産駒って、現役時代のイメージから気性難のイメージがあるけど、産駒って意外と大人っぽい仔が多い印象。(もちろん全馬見たわけじゃないのだが)
メイショウタバルは皐月賞のパドックでもかなり大人しかったからね。
前走神戸新聞杯は、すこし行きたがる面を見せていたが、休み明け&大外から出していったことが影響したと思う。
本来はゆっくる逃げられる馬だし、折り合いには心配していない。
つばき賞も道中外から被せられても、影響が無かったことも(精神的な部分を)評価したい。
■総合評価 S
浜中次第。気分よく、折り合いをつけて逃げることができれば好勝負。精神面は問題無し。
④コスモキュランダ
父アルアイン 母父サザンイメージ
有力馬で距離に不安があるのは、この馬だろう。
アルアイン産駒は短距離~中距離と幅広く勝ち星を挙げる。先行力が持ち味で、今後はローカルの短距離で穴を開ける仔が多くなるのではないかと予想しているほど。
アルアイン自身も菊花賞は人気を裏切ったしね。(不良だったから仕方ない面もあるが)
コスモキュランダ自身は、コーナリングで勝負するタイプで、ラストの直線で速い上がりを使うイメージは無い。なので京都外回りコースというのも相性が悪い気がする。
アルアイン産駒は軽快な先行馬がほとんどなので、コスモキュランダもスタートさえ決まれば先行しても面白いと思うが。
今のデムーロはそこまでしないだろうね。
■総合評価 B
コーナリングタイプなので阪神代替だったらワンチャンだったが、京都外回りの3000mはマイナス。
⑤ヘデントール
父ルーラーシップ 母父ステイゴールド
前走日本海S(新潟2200)勝利から菊花賞直行は、昨年の覇者ドゥレッツァと同じ。ただ鞍上はルメールでは無く戸崎だが。
ルーラーシップ産駒は牡馬(セン馬含む)だけを見ると、スタミナのある馬が多く、2000m以上での成績が優秀。
菊花賞を勝ったキセキ、ダイヤモンドSを勝ったグロンディオーズ、阪神3200を勝ったベスビアナイトなどがいる。
またルーラーシップ産駒の牡馬は京都外回りコースも相性が良く、オープンクラスでも多数の好走馬を送り出している。
ただね、母父ステイゴールドというのは気にかかる。個人的には鞍上戸崎よりも気になる(まあ鞍上も気になるが)
母父ステイゴールドは中央GⅠで活躍するような一流馬出てないからね。(地方GⅠ馬はいる)
■総合評価 A
父ルーラーシップ産駒は文句なし。あとは母父ステイゴールドの呪いと、戸崎次第だ。
⑥アドマイヤテラ
父レイデオロ 母父ハーツクライ
レイデオロも、スワーヴリチャードと同じく新種牡馬で、現3歳世代が初年度産駒。
今までの産駒を見る限りでは、ゆっくりとしたペースで進み、鋭く差す競馬をする仔が多い。
消耗するような忙しい展開よりも、余力を持って最後の直線を迎えられるような展開がいい(あくまで今のところ)
典型的なのはサンライズアースで、Hペースの皐月賞では後方侭、ドSペースの日本ダービーで4着に好走した。
マイル路線で活躍しているトロヴァトーレは、まだHペースを経験しておらず、この先レースレベルが上がって厳しいペースになった時に、今までのような末脚を使えるか注目。
レイデオロ産駒は、2000mでの勝利が一番多く、2200、2400、2600と距離が伸びていっても高アベレージを維持する。(まだ分母が少ないが)
京都は忙しい展開の多い内回りよりも、ゆっくりレースを進められる外回りのほうが成績が上。
今回、菊花賞に出走するアドマイヤテラは、母父ハーツクライだからね。なおさら外回りのほうがいいと思う。
芝3000mの適性は、もはや憶測に頼るしかない。個人的にはギリギリだと思うし、かなりロスの無い競馬をして、ようやくワンチャンがあるくらいと予想する。
■総合評価 B
京都外回りコースはあっているが、出遅れ癖があり、スタートの遅いこの馬にとっては3000mは距離に不安が残る。
⑦メリオーレム
父シュヴァルグラン 母父スタースパングルドバナー(デインヒル系)
シュヴァルグランも新種牡馬で、現3歳世代が初年度産駒。
先週の東京芝2400m戦で2着、3着に人気薄のシュヴァルグラン産駒が突っ込んできた(ビリ人気とブービー人気)
↓くわしくはこの記事で分析
シュヴァルグラン産駒は、短距離馬もいるが、初年度が3歳夏を迎えたあたりから2000m以上の距離での好走が増えてきた。
今現在、2000m以上で好走したシュヴァルグラン産駒は、メリオーレム、イクリール、ズイウンゴサイの3頭は、ともに『距離延長』で成績を上げている。
皮肉にもメリオーレムは『距離短縮』だった神戸新聞杯で人気を裏切ってしまった。
そういうデータからも、シュヴァルグランは晩成気味のステイヤー種牡馬と見てよさそう。
■総合評価 X 穴馬候補
3000mの距離は大歓迎。ただ瞬発力勝負に不安を残すので、淀みのないペースになって上がり時計がかかればチャンスあり。
⑧シュバルツクーゲル
父キズナ 母父モンズーン
キズナ産駒の長距離適性も上々。
芝2600mは計24勝、勝率10.2%・連対率21.4%・複勝率30.6%と優秀。
そして芝3000mは出走頭数は少ないが計2勝、勝率11.8%。しかしこの2勝はどちらもディープボンドなため判断が難しい。
ディープボンド以外は、これと言ったステイヤーがいないため、3000mは未知の距離と言わざるを得ない。
今回、菊花賞に出走するシュバルツクーゲルは母系がスタミナ豊富なため「ディープボンドタイプ」になる可能性も秘めているとは思う。
ただ青葉賞を見ていると、現状の力では芝3000mでは評価を落とすことになるかな。
■総合評価 C
これまでのレースぶりを見ると瞬発力に欠けるイメージがある。これは母系が重い血統なのも影響していると予想。京都外回りはどうか・・・
⑨ピースワンデュック
父グレーターロンドン 母父ジャングルポケット
グレーターロンドン産駒は1200~1800mに勝ち星が集中するが、意外と中長距離でもポツポツ勝ち星を拾っている。
芝2400mで3勝、芝2600mで1勝。ただ大物は一頭も出ず、クラスの壁にぶち当たる仔ばかり。
昨年、ナイトインロンドンが2勝クラスを勝利したが、その後の菊花賞では出番が無かった。
今回出走するピースワンデュックは、先行脚質は魅力だが、京都3000mのGⅠはかなり厳しいのでは、と予想したい。
■総合評価 C
前走、かなり折り合いを欠いてたのも気になる!思い切って逃げる可能性もあるので、うまく単騎でいければ可能性はあると思うが、同型メイショウタバルがいるからね。
⑩ショウナンラプンタ
父キズナ 母父Zensational(アンブライドルド系)
先ほどシュバルツクーゲルの項でも書いた通り、キズナ産駒の3000m以上勝ちはディープボンドの2勝のみ。
ただ芝2600mのアベレージは優秀なので、今後ステイヤーの出現の可能性はあるとしつつも、ショウナンラプンタはどうだろうか?
青葉賞や神戸新聞杯は後ろから追って伸びてるので、可能性は無くはないが・・・
母系がアンブライドルド×ストームキャットで超アメリカンだからね。3000mは厳しいとの見方。
■総合評価 B
未知の魅力を感じるも、せいぜい△抑えまで。折り合いはつくので展開次第では怖さはある馬。
⑪エコロヴァルツ
父ブラックタイド 母父キングカメハメハ
今回の菊花賞は新種牡馬も多いが、ブラックタイドやネオユニヴァースなどのオールド種牡馬もいて、血統的にはかなり楽しいものになりそう。
ブラックタイドといえばやっぱりキタサンブラック。
しかしブラックタイド産駒の長距離実績はこの希代の名馬以外は目立った馬は少ない。
ただ菊花賞5着のシホノスペランツァ、3200mの条件戦で2着に来たホウオウエクレールなど、母系を問わず、突然変異のように長い距離を走る馬が出ているのも事実。
エコロヴァルツは、朝日杯FS2着とは言え、セントライト記念を見ても、日本ダービーを見ても距離が長くて負けてるようには見えない。
明らかに超Sペースのレース展開が合わず、瞬発力負けしている。
セントライト記念は最後までジリジリ伸びているし、3000mをこなす余地はありそう。
ただ京都外回りはあまり合いそうにない。しかし岩田Jが前走の敗因をしっかり分析して、早め早めの競馬(札幌記念のノースブリッジのような乗り方)ができれば、ちょっと怖さはあるんじゃないかな。
ある程度飛ばす逃げ馬メイショウタバルとのシナジーもありそうで、現状穴馬候補としておく。
■総合評価 X 穴馬候補
土曜は雨の天気予報。その雨が日曜まで残ればかなりプラス材料。ブラックタイド産駒は2000m以上だと複勝率が大きく上がる。
菊花賞2024の最終予想は、土曜に更新予定!!
馬場状態や、展開もじっくり考察していきます!!